ソフトシール仕切弁の最大開閉トルクと破損危険トルクは『JWWA B 120ソフトシール仕切弁』によって規定されています。
小口径では1人で開栓キーを操作しても必要以上の出力トルクが発生して、バルブが破損する恐れがあるため、ハンドル長さ(L1)を意識して操作してください。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.112P.114P.115P.200を参照

対象バルブ:ソフトシール仕切弁



仕切弁は呼び径毎に最大開閉トルクが設定されており、呼び径が大きくなると、全閉操作に必要なトルクが大きくなります。
開栓キーの出力トルクは操作人数やハンドル長さ(L1、L2)によって異なり、一人操作およびハンドル長さが短い開栓キーでは出力トルクが不足して、呼び径が大きい仕切弁の全閉操作が困難になる場合があるためご注意ください。
下表に仕切弁の最大開閉トルクおよび開栓キーの出力トルクを示します。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.113P.114  を参照

対象バルブ:メタルシート仕切弁、ソフトシール仕切弁



内ねじ式ソフトシール仕切弁の全開~全閉の回転数は『JWWA B 120ソフトシール仕切弁』によって規定されています。
呼び径により回転数は異なりますが、接合形式、使用圧力、操作方法など異なる形式でも回転数は同じです。
回転数には、許容差+5~+3程度あります。

呼び径5075100125150200250300350400450500
回転数131317211925253035333842
許容差+3~0+5~0

※適合する圧力:呼び径50~300(2種、3種、4種)、呼び径350~500(2種、3種)

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.7P.112 を参照

対象バルブ:ソフトシール仕切弁



メタルシート仕切弁 、ソフトシール仕切弁の弁棒部のねじ構造の違いから内ねじ式と外ねじ式に区分されます。

〇内ねじ式
弁体を開閉操作する弁棒のねじ部分が弁箱の内部(流水内)にあって、弁棒を回転させると、弁体が上昇(開弁)又は下降(閉弁)する構造です。

〇外ねじ式
弁棒のねじ部が弁箱の外側(流水外)にあって、ハンドル車を回転させると弁体が上昇(開弁)又は下降(閉弁)する構造です。 

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.100P.101 を参照

メタルシート仕切弁

内ねじ式の構造
外ねじ式の構造

ソフトシール仕切弁

内ねじ式の外形  /  外ねじ式の外形

対象バルブ:メタルシート仕切弁、ソフトシール仕切弁



弁きょうなどからのバルブをのぞき込むと操作するキャップが見えます。
メタルシート仕切弁とソフトシール仕切弁を区別するために、ソフトシール仕切弁の
キャップ上端面には、アルファベット文字 “S”の鋳出表示を設けることが規定されています。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.73 を参照

メタルシート仕切弁の 左回り開きのキャップ
ソフトシール仕切弁の 左回り開きのキャップ

対象バルブ:メタルシート仕切弁、ソフトシール仕切弁



バルブの開閉方向には「右回り開き」と「左回り開き」があり、開閉方向を間違えて操作すると断水の発生や事故につながる恐れがあるので十分に注意する必要があります。
バルブの開閉方向は各事業体によって異なるために、事前に調査確認しておくことが重要です。

バルブの開閉操作にはキャップとハンドルがあります。

○キャップ
開き方向によって形状が異なります。「左回り開き」には鍔があり、その鍔に開閉方向を示す矢印が鋳出しされています。

○ハンドル
ハンドル車に開閉方向を示す矢印が示してあります。

また、仕切弁、ソフトシール仕切弁、消火栓、補修弁などには開度計がないため、全開~全閉の回転数を納入図等で確認して開閉操作を行ってください。

操作機を搭載しているバルブ(バタフライ弁など)については、操作機に開度計が付いているため、開度状態を確認しながら開閉操作を行ってください。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.73P.74P.110P.111を参照

キャップの例
ハンドルの例


対象バルブ:メタルシート仕切弁、ソフトシール仕切弁、双口空気弁、消火栓、補修弁、バタフライ弁



1)経年化した管路に設置されている大部分のバルブは、開閉操作すると赤水が発生することがあります。赤水発生の主な原因は、バルブを操作する際に、弁箱等の内面に付着している鉄錆が水道水中へ混入するもので、次のような場合に発生します。

1)ー1 締め切り状態の仕切弁を開ける場合
長期間締め切り状態にしておいた仕切弁を開ける場合に、弁体をスライドさせると、そこに付着していた鉄錆が剥がれて下流に流れ、赤水が発生する場合があります。
赤水の発生を抑えるためには、可能な限りゆっくり開閉操作してください。なお、赤水の発生が予測される場合には、下流側の排水設備などから赤水を的確に排水できるように十分に準備してください。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.117118 を参照

1)ー2 開け始め,閉め終り付近の仕切弁が少し開いている場合
仕切弁が少し開いている状態では、水の流れる断面積が小さくなるため、その部分の流速が極端に速くなって弁体下流側に渦が発生します。その渦によって弁箱内に付着した鉄錆が剥がたり、弁底部の溝に蓄積した夾雑物が巻き上げられるなどして下流に流れます。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.117118 を参照

2)仕切弁を締め切る場合
全開状態で使用している仕切弁は弁底部の溝に夾雑物が堆積する場合があり、堆積状況によっては仕切弁を全閉できない場合があります。このような場合には,2~3回転開方向に戻して,一気に締めると夾雑物を流し出すことができます。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.120121 を参照


対象バルブ:メタルシート仕切弁



仕切弁 を使用して流量を調整するために中間開度で使用した場合、キャビテーションが原因で振動や異音が発生します。
この条件で使用を継続すると、エロージョンによって弁箱が孔食するなどの破損の恐れがありますので、中間開度で使用しないでください。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.170P.199 を参照


対象バルブ:メタルシート仕切弁、ソフトシール仕切弁



【注意事項1】
フロート弁体及び遊動弁体が円滑に作動するように鉛直に取り付けて下さい。
傾きが大きいと小空気孔弁座とフロート弁体の当たりの位置がずれて、漏れが発生する可能性があります。
設置時の空気弁フランジ面の傾きは、水平より2°以内として下さい。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.8494を参照

【注意事項2】
管内圧力が0.1MPaより低い場合は、漏れが生じる場合があります。
0.1MPa(=10m水柱)以上 の圧力が確保できるところに設置して下さい。
水道用急速空気弁規格のJWWA B 137をご参照下さい。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.84を参照


対象バルブ:水道用急速空気弁



【確認事項1】
弁座(シール部分)に異物が噛みこんでいないか確認して下さい。

※水道用バルブ便覧(第5版) P. 178P.179を参照

【確認事項2】
空気弁の設置条件に問題がないか確認して下さい。
詳細は『空気弁を設置するときの注意事項』に記載していますので、リンク先をご確認下さい。


対象バルブ:水道用急速空気弁



バルブを急閉すると、バルブや配管の状態によって「ウオーターハンマー」が発生し、配管や水道機器の損傷につながる恐れがあります。そのため、バルブを閉める時はゆっくりと操作を行うか水撃防止器を設置すること や「ウオーターハンマー」を発生させないように連動するポンプの運転方法を考慮する等の対策が必要となります。

蛇口を急に止めると・・・ウォーターハンマー


対象バルブ:バタフライ弁、ソフトシール仕切弁、ダクタイル鋳鉄(メタルシート)仕切弁



小空気孔弁座の空気孔部を先端が鋭利な形状の道具を使用して清掃した場合、止水部が損傷する可能性があります。付着物を清掃する場合は布状のものや指先で水洗いを行ってください。
また大空気孔弁座が平パッキン形状の場合、再組立時にボルトを片締めすると、弁座止水面が波打ち、大空気孔から外部漏水する可能性があるためボルトの締付けは均⼀に行って下さい。

※水道用バルブ便覧(第5版)  P.178P.179を参照


対象バルブ:空気弁



例1)全閉時の過剰操作によって、操作機の歯車箱または全閉位置決め用のストッパーを破損した事例があります。破損防止には、操作機上面に付いている開度計を確認しながら操作し、過大な操作力をかけないで下さい。

バタフライ弁の破損事例の紹介と操作上の注意点
バタフライ弁の破損事例の紹介と操作上の注意点

例2)水理条件が厳しい中で使用した為、弁箱、弁体が破損した事例があります。
使用条件に適用した機種を選択し、製品を交換して下さい。

例3)使用頻度が多い電動式バタフライ弁で、過度なインチング運転を行ったことが原因となり、ウォームギアが摩耗又は電動操作機が破損した事例があります。定期的に点検を行い、摩耗又は破損した部品を交換して下さい。

※ 水道用バルブ便覧(第5版) P.202 を参照


対象バルブ:水道用バタフライ弁



工場の水圧検査で止水を確認した場合でも、時間の経過と共にパッキンの応力緩和による締付圧力の低下から漏水することがあります。漏水した場合は、パッキン押えボルト・ナットを均等に増し締めして下さい。

新設の外ねじ仕切弁のグランド部から漏水した場合の対処方法

※ 水道用バルブ便覧(第5版)  P.170P.172 を参照


対象バルブ:メタルシール仕切弁



補修弁のφ75×100L は構造上、フランジ接続⽤の六⾓ボルトを補修弁側から挿⼊することができません。
また、 六⾓ボルトの長さがM16×75L 以上の場合、ボルトの先端同⼠で⼲渉する恐れがありますのでご注意ください。そのため、JWWAB126 に記載の通り、異形管(フランジ付きT字管)との接合ボルトは M16×65Lを使用し、異形管側からボルトを差し込んでください。

水道用補修弁(φ75×100L)の施工時の注意点


対象バルブ:補修弁